どうも。カルチャーマニアのSai(@saisei_to_hakai)です。
タスマニア島に行ったらめちゃめちゃ刺激的な美術館があったのでお伝えします。
【天才数学者が建てた謎の美術館】タスマニア島の『MONA』
オーストラリアのタスマニア島には、名物になってる美術館がある。
天才数学者がギャンブルで大儲けしたお金でブッ建てた美術館『MONA』だ。
岬の突端にある小さな半島全体が美術館になってる感じで、見るからに異様な雰囲気。
自閉症の天才数学者が建てた異様な美術館
建てたのは数学者のデイヴィッド・ウォルシュ氏。
自閉症でたぐいまれな記憶力を持っていた彼は、数学を応用すればギャンブルで儲けられると気づく。そしてコンピュータを使ったギャンブルで莫大な資産を築いた。
美術品のコレクターでもあった彼は、MONAとなる島を買い、風変りな美術館へと変貌させる。
この美術館がめちゃ型破りでとがりまくっててヤバイ。「なんじゃこりゃ!」となること間違いなしのワンダーランド。
現代美術館『MONA』の中
美術館の中は遺跡都市みたいな雰囲気で、順路もキャプションもない、説明も一切ない。
どこへ進んでも謎の現代アートがこれでもかってくらいに出てくる。
(↓展示されてる太ったポルシェ)
美術館のテーマは「セックスと死」という情報だけで、あとはもう感じろと。
怖い空間もあるし、すごい臭い部屋があったり、笑えるオブジェがあったり、頭が「?」だらけになって謎の体験ができる。(家族連れで行くと気まずい)
夜は裸で見て回るヌーディストツアーもあるよ
そして夜には素っ裸で鑑賞するヌーディストツアーが行われている!客もガイドさんも裸!
僕は残念ながらヌーディストツアーは行ってないけど、タスマニアに行く機会ある人はぜひ行ってみて欲しい。
マジどこの美術館行くよりも刺激的な体験ができると思う。ゆえに記憶に残る。
MONAを鑑賞して感じたタスマニア
美術館内で一番大きな展示。壁一面が何百枚もの絵で埋め尽くされて、ひとつの大きな作品になっている。
一枚一枚を見ると、人の顔と、生殖器なのかな?という絵で。
勝手に解釈すると、暗いところは先住民アボリジニの遺影に見えるし、生殖器はユニオンジャックぽいし、明暗は波打ってるし。これはタスマニアの虐殺の過去と、脈々と繋がってゆく歴史の一枚絵なのかなと。
そしてこの美術館じたいが、タスマニアにおけるセックスと死の“視える”部分で(氷山の一角みたいに)、美術館とつながったタスマニアの大地はそのまま、繋がり広がっている作品の一部なのではないか、という感じがして。
なるほど変態大富豪がこの美術館をこの島に建てた意味はそこにあるんか、と大方見当違いかもしれない思惟を巡らせたのであった。
タスマニア島の暗い歴史
タスマニアでは過去に【ブラック・ウォー】というイギリス植民者と先住民の戦争があり。先住民は小さな島へ追いやられ、虐殺と疫病により絶滅。
もはやタスマニアにアボリジニの文化は無いが。学校で子供たちはその歴史を教わるだろうし。過去の歴史とはいえ、いま現在住んでる人々にもどこかにその罪悪感はあるだろうし。
奪った先祖の歴史があり、その土地で暮らす。それについて善し悪しなどを言う気はまったく無いが。いったいそれはどういう心持ちなのか。
タスマニアの住人が驚くほど優しいのはどこか、歴史の仄暗い後ろめたさからくる贖罪を含んでいるのではないか、という気がして。
ユーカリのざわめきと独特な街の匂いに、眩暈を覚えるのであった。
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