どうも。アートの世界を探検しつつ、自分でも絵を描いてるSai(@saisei_to_hakai)です。
似ているようで違う、『プリミティブアート』と『フォークアート』と『ナイーブアート』についてお伝えします。
【アートの教科書】プリミティブアートとフォークアートとナイーブアート
それぞれ似ていますが、まずはプリミティブアートからいってみましょう。
プリミティブアートは3タイプが言われる
以下の3つは、どれもプリミティブアートです。
- ①原始・未開の美術
- ②遠近法が使われるルネサンス以前の西欧美術
- ③原始・未開の民族の造形物に影響を受けて作られた現代作品(プリミティヴィズム)
プリミティブアートとして話に出てくるはたいてい①の「太古からの部族社会の美術作品」のことが多いです。日本でいうと縄文やアイヌ文化。
西欧美術ではアフリカやオセアニアの原始美術が人気となり、その強烈なインパクトから芸術家たちに多大なる影響を与えました。
アフリカ民芸から影響を受けたピカソ、タヒチのモチーフを取り入れたゴーギャンが有名。
フォークアートは素人職人の手作業
フォークアートは、その土地の共同体や、民俗文化の中で作られた芸術作品を指します。
主に専門的な技術をもたない画工や職人、農民、素人の労働者などが制作。
歴史、職業、宗教、民族性、地域性をもと培われてきた伝統的な様式があったりもする。
装飾目的だけじゃなく、実用性なものが多いです。例えば店の看板や風見鶏など。
美術だけじゃなく手工芸、建築、音楽、踊り、劇など広い範囲におよびます。
伝統の中で訓練を受けていたりはするが、アカデミックに学んでいるわけではない。そのためナイーブ・アート(素朴芸術)に近く、ごっちゃになることも多いですね。
ナイーブアートは素朴派の作品
ナイーブアートは、正式な美術教育を受けたことのない作り手に制作された芸術作品。
意味合い的に、プリミティブアートやフォークアート、アウトサイダーアートと近いです。が、主に19世紀から20世紀にかけて活躍した「素朴派(そぼくは)」の絵画を指すことが多い。
独学なので、素朴さやユルさ、独創性があったりします。
ほとんどの作家が本業で生計を立てながら、楽しみとして作品を制作していたみたいですね。
代表的な作家はアンリ・ルソー、グランマ・モーゼス、ニコ・ピロスマニ、マリア・プリマチェンコ、フェルディナン・シュヴァルなど。
というわけで、似ていて分類がややこしい3つのアートまとめでした。