どうも。アートの世界を探検しつつ、自分でも絵を描いてるSai(@saisei_to_hakai)です。
1960年代後半のアメリカで始まった「ロウブロウアートとポップ・シュルレアリスム」についてお伝えします。
【アートの教科書】ロウブロウアートとポップ・シュルレアリスム
1960年代後半のアメリカ・ロサンゼルスから現れたLOWBROW ART(ロウブロウアート)。
「LOWBROW」とは「教養や知性の低い人」という意味なので、美術教育を受けていない自由なアートです。というと「アウトサイダーアートと同じじゃないの?」という感じもしますが、どちらかというとサブカルチャーやストリートの風味が強いのが特徴。
ロウブロウアートは若者カルチャーから生まれた
ロウブロウアートは、ホットロッド(カスタムカー)のレースやパンクミュージック、アメコミなどの若者文化から生まれてきました。
イラスト的な表現やコミック的な表現が多く見られ、ユーモアや風刺、エログロなどなんでもアリ。
ちゃんとしたイラストだけじゃなく、「落書き」を意味する「ドゥードゥル・アート(Doodle Art)」、デジタルアート、グラフィティ、タトゥー、オモチャ、雑貨、人形など多様に制作されたんですねー。
ロウブロウアートの中心的な雑誌『JUXTAPOZ』
で、中心的なアーティストであるロバート・ウィリアムスって人が立ち上げたのがロウブロウアート雑誌『JUXTAPOZ』。
この雑誌から若者のアート情報を発信したり、新たなアーティストを見出していってムーブメントが起きてゆく。
ここらへんは若者たちの感覚でミュンヘン分離派が起こっていったキッカケの雑誌『ユーゲント』の感じに似てる。
で、『JUXTAPOZ』に紹介されたアーティストは有名ミュージシャンに仕事を依頼されはじめる。
アーティストのFrank Kozikはニルヴァーナやナインインチネイルズ、サウンドガーデンなどのイラストやライブポスター担当したり。
Mark Rydenはマイケル・ジャクソンやレッド・ホット・チリ・ペッパーズのアートワークをやったり。人気爆発。
ロウブロウアートは90年代後半から「ポップ・シュルレアリスム」とも呼ばれるようになって、ハイアートにも影響を与えるようになる。でアートのジャンルとして認められるようになっていったと。
有名なロウブロウアーティスト
有名なロウブロウアーティストはRobert Williams、Von Franco、Ed Roth、Frank Kozikなど。
日本人で有名なのは清水真理、高松和樹など。マンガ家を挙げたらキリなさそうだけどカネコアツシとか丸尾末広とかですね。
広くいうとオタクカルチャーもロウブロウアートと言っていいので、現在進行形の身近なアートですね。