どうも。アートの世界を探検しつつ、自分でも絵を描いてるSai(@saisei_to_hakai)です。
アート史の流れの中で何が起こっていったのか。ざっくり振り返りましょう。
【アートの教科書】12.アートの歴史で起こった変化まとめ《写実から抽象へ》
アート史で起こった変化は、大きく分けて以下の6つ↓
- 再現主義
- 世俗主義
- 表現主義
- 形式主義
- コンセプト主義
- プロジェクト主義
ひとつづつ見ていきましょう↓
①リアルさを目指した「再現主義」
人間たちはまず「リアルに描こう」ってことを目指しました。
古代ギリシャやエジプトでは「だいだいわかればオッケー」ってことでざっくり描かれてたんですね。エジプトの絵とか、平面的で象徴的な図柄ばかりですよね。
ですがそこに「リアルはぜんぜんちゃうやないかい!」ってことで、よりリアルに描くために「遠近法」という技法ができてったわけです。
人間には「より上手く描きたい!」って欲求があったわけですねー
②宗教じゃない絵も描きたい「世俗主義」
17世紀ごろのイタリア。それまでのアートはだいたいキリスト教の教えを広めるための絵でした。
そこへコペルニクスやガリレオ・ガリレイなどの登場によって、宗教より科学のほうが重要になってきました。
なので「もう神様を描かなくてもいいんじゃね?もっといろいろ描きたいし」ってことで、アートが宗教から離れることになりました。
結果、権力者が自画像を描かせたり、風景を描くやつが出てきたり、牛乳を注ぐ女性を描いてみたり、いろいろ幅が広がったわけですね。
③人の内面を描く「表現主義」
時は経ち、19世紀に始まったのが「表現主義」。
カメラの登場もあり、単にリアルに描く絵は必要じゃなくなってきたわけです。
そこで、人の感情や主観など、内面に焦点を当てる作品が出てきました。
目に見えるものだけじゃなく、人の奥底にあるものを描いたわけですね。見た人の心も大きくゆさぶられると。
でこの後から20世紀以降の現代アートになります。
④抽象画からいろんな手法が出てきた「形式主義」
「なんこれ?」でおなじみの、抽象画がはじまりました。カンディンスキーやモンドリアンなどが有名ですね。
「リアルに描く」時代から「人の感情を表現する」ときて、今度は人も風景も描かれていない、何だかようわからん絵がでてきた。
とうぜん今までの美術界からしたら「何じゃこれは!」となるわけです。
何か対象物を描くわけじゃなくて「作品そのものを描く」っていう。
で、いろんなスタイルが出てくるようになる。ピカソで有名なキュビズムとか。マグリットなどで有名なシュールレアリズムとかです。作品の批評も、「線・形・色彩・構図」といった形式を評価するのが重要になっていきました。
作品を描く手法が注目されるようになったんですねー。
⑤作品に込められた哲学が大事な「コンセプト主義」
次はコンセプチュアル・アートというのが出てきた。
これは例のデュシャンの「便器」からですが、こうなるともう見た目も手法もどうでもよくなって、「どういう哲学が込められているのか」が重要になった。
もはや「美麗な絵を描く」といった世界線とはまったく別の方向へ来たアート界。
⑥作品づくりの流れそのものがアートな「プロジェクト主義」
アート制作の流れも重要になってきます。
プロモーションやブランディングなども含め「アート」というわけ。バンクシーなどが良い例ですよね。
SNSも出てきたし、新しく出てきたNFTでもよくわかる話ですよね。アートビジネスの成功失敗が「作品そのもの」より「プロジェクト全体によるものに」なってきた。
アートの変化 まとめ
シンプルにいうと、昔の写実的なアートから抽象的な現代アートになっていったと。
昔は宗教や権力のためにアートが使われてたので、リアルで実用的なことが価値だった。
でも時代の変化やテクノロジーの進歩によって写実的必要がなくなって、アートはどんどん抽象的で哲学的なものになっていった。
もちろん写実的な絵を描く人は今もたくさんいますが、何かしら新しい要素がないとアート界の批評家には認められないってわけなんですね。
そんなわけで今日の「現代アート」へと続きます↓
>>>【アートの教科書】13.現代アートの要約&アート鑑賞について《まとめ》
ここまでくれば、肩肘張らずアート鑑賞ができるようになりますね。